聞いていない
仕事中の話。
帰宅間際に外部の業者がいつ帰るのか担当者に尋ねた。先輩が来客の見送りに当たっていたのでふと気になった。すると担当者に「本当に話を聞いてないね」と笑われた。
なぜなら私が尋ねた直前にまったく同じやりとりをしていたらしい。
しかし他人の会話に逐一聞き耳を立てるものだろうか。ましてや自分が関わらない内容にだ。
仮にプライベートな話に勝手に割り込んできて口出ししたら無遠慮な奴だと煙たがられるのではないだろうか、と疑問に思う。
私はいつもあえて聞かないを徹している。大人でも子供でも内輪に入ればろくなことにならないと経験上わかっている。素知らぬふりをして外野にいれば楽なのだ。逃げともいう。
以前「父母の会話に子供が入ってくるのが許せない」という旨の育児日記マンガを読んだ。
子供の言動に腹を立てたのは父親で、母親も父親の意見に概ね納得していたが子供には会話に混ざっていい悪いの判断が難しいのでは、と語っていた。
この場合も上記と同様に「聞いていなければならない」状況なのだろうか。
きっとこの子供は親の会話が弾んでいるから興味を持ったのだろう。それなのに「会話に入ってくるな」と一喝するのは理不尽ではないだろうか。
楽しそうな雰囲気を出しているが、話している内容が芸能人の不倫だったりご近所への愚痴であったり職場で起きたハプニングを笑い話にしていたりするのかもしれない。子供に聞かせるのは憚られるのかもしれない。
だが子供は内容ではなく雰囲気に興味を持っただけだ。ここで「聞くな」「入ってくるな」と叱ってしまえばコミュニティに入ることへ抵抗をもつのではないだろうか。
だが無遠慮に接してしまえば嫌がられる存在にもなってしまう。どう教えるのが正解なんだろうか。
つくづく対人関係、人との適正距離を測るのは難しいと実感した一日だった。
でも帰り際新しい靴を褒められたので嬉しい気持ちで帰った。やったね。